前の記事【繰り下がりのひき算のミスを回避する「合い言葉」】で紹介した合言葉「1減らし、1つける」。今回は、児童たちがひき算の2段繰り下がりでやってみます。
2段繰り下がりについて
306―138の計算では、一の位で繰り下がりが発生します。しかし十の位が0なので、繰り下がりができません。
そこではじめに百の位から十の位に繰り下げる。そして十の位から一の位に繰り下げる。一の位のひき算のために百の位から2段に分けて行う繰り下がりを2段繰り下がりと言います。これは、9を並べて最後を10にするなど方法などが一般的です。
しかし計算が不得意なお子さんは、この方法で混乱することがあります。そこで、これまで身につけた合言葉「1減らす1つける」に拘っていくと覚えることがなく楽です。
2段繰り下がりの合言葉
ご覧の通り904の十の位は空位(0)です。一の位から繰り下げようともできません。
「十の位は0です。1減らすことができません。そこで、まず百の位から十の位へ繰り下がりをします。そして十の位に数をもってきます」
と説明します。この時、意味が分からないお子さんもいます。百聞は一見にしかずです。まずは、やり方をみせましょう。
百の位の9を1減らします。そして十の位に1をつけます。
ここで0に1をつけたことによって、10になったことを確認します。つぎに十の位から一の位への繰り下がりです。十の位の10を1減らします。ここはゆっくりと、ゆっくりと行なってください。今回は分かりやすいように赤ペンで書いてます。
10が1へって、9となりました。そして一の位の数4に1をつけます。
そうすると、一の位の数は14となりました。これで一の位の計算ができます。
これが最後の状態です。百の位から十の位へ、十の位から一の位へ。と繰り下がりが続けて起こりました。
最後に
「1減らし、1つける」の合言葉は、複雑な手続きでミスが起こりやすい2段繰り下がりのひき算でも十分に発揮します。
ここでさらにひき算へのノート等の工夫にも配慮すれば、計算ミスの大幅な改善がみられます。ぜひ、複合的に工夫をしてやり易い計算環境を整えてあげてください。