初めて見る子にとって摩訶不思議な文房具、分度器。ただこれを使って角を描くのが難しい子もいます。そこで今回、作図の躓きを解消してくれる分度器を使って、簡単に角が描ける手順を説明します。
絶対にオススメ「ツクワSTD算数分度器」
作図が不得意な小学生に必ずオススメ…というか全員にプレゼントしたい分度器は「ツクワSTD算数分度器」です。分度器なんてどれも同じじゃないか?と思われがちですが、この分度器は他の分度器にはないある工夫があります。ご覧ください。
この分度器の工夫、分かりますか?
分度器の下に青とオレンジ色の透明部分があります。これが分度器の素晴らしい点です。左開きの角を「青の透明」で表現し、角目盛も青色です。また右開きの角を半透明のオレンジ色で表現し、内側の目盛も濃いオレンジ色で表しています。
たったこれだけの工夫が、分度器で引き起す「目盛読みの間違い」を避けてくれます。あとは正しい使い方です。それでは使い方の流れを説明します。
右開きの40°の角を描こう
直線をひいてます。
右開きの角を描くにあたって考えます。角は左端にくるのか?右端にくるのか?以外と児童たちは分かりません。
鉛筆で右開きを確認
そこで児童に直線の端に鉛筆を置かせます。
その上で「右開きの角というのは、右が開いている角のこと。だから右から中に入れるんだよ」と説明します。すると左の方が尖っている角だと分かります。
分度器で右開きを確認
つぎに分度器をみます。半透明の青と赤。右開きはどちらか?を考えさせます。
右開きの角はオレンジ色だと分かります。角は左になります。
※このとき「開く」という言葉が分からない児童もいます。その様なときは「角の中への入口はどっちかな?」と尋ねてもいいでしょう。
分度器をセットする
次が分度器で角を描く正念場です。
手順はこうです。
- 直線に分度器の下を合わせます。
- 左端に角をつくるので、分度器の⊥を左端につけます。
これを両方いっぺんにすると混乱する児童もいます。手順を示してあげるといいでしょう。
オレンジの角を読み点を打つ
次に角度を示す目盛りに打点します。この右開き(オレンジ色)の場合、内側の目盛りを読みます。ただここでひとつ注意があります。
例えば右開きの45°といった切りの悪い角度を求める際、40°から青の目盛を借りて5°分進みます。この微妙な手順が難しい児童もいます。ゆっくり丁寧に指導する必要があります。
外側に目盛りの印を打つ
また角度の目盛を打つ時も指導が必要です。
印は必ず外側に向かって打つということ。分度器の弧に沿って打つ時があります。これだとどこを40°としてとればいいか分かりません。
定規で直線をひく
最後に定規をつかって直線をひきます。
このとき角の方(画像左下)に鉛筆を持って来て、目盛に向かって直線をひきます。
これで右開きの40°の角の完成です。あとは40°になっているか分度器でチェックします。
最後に
分度器「ツクワSTD算数分度器」を使った角の作図方法を紹介しました。左開き(青)の方は比較的簡単なので、今回の右開きのみのやり方ができれば問題なくできるでしょう。
このツクワ社の分度器はほぼ完成しています。ただ強いてさらなる改良の希望をいえば、半透明の部分は5°ではなく20°ぐらいまで広げて欲しいです。これぐらいあると、児童たちにとって左開き、右開きがはっきりと分かるからです。