分数のイメージが掴めていない小学4年生の児童は、分数のたし算で分母同士をたす間違いをします。そこで今回は、この「分母をたす」ミスを防ぐために「量のイメージ式から分数の式をたてる」色鉛筆のワーク指導をご紹介します。
分数のたし算で分母をたしてしまう背景
児童らが分母の数をたしてしまう理由は、それまでの整数の計算式の流れ(3+4=7など)に沿った、と察しがつきます。しかし行動の背景を掘り下げると、量イメージがない状態で式を考えてしまった、と分かります。
そこで今回、そのような間違いに陥らないように「量イメージから立式を考えて、式の答を分数の量イメージから判断する」色鉛筆のワーク指導をご紹介します。
イメージ式(ブロック式)から分数式へ変えるワーク
上には、ブロック式があり「分数ブロック」が表されています。下には、対応する空白の分数欄です。
ブロック式から分数の立式。そしてブロック式のたし算の答から、分数の答を考えます。
ブロック式の「分数ワク」を描く
分数ワクは、ブロック式にある正方形ブロックを縦に割ったものです。これを赤の色鉛筆で描きます。
分数ワクは、必ず正方形を1つ分です。そして赤などの目立つ色で描きこむことがとても大切です。次に青い色鉛筆で、分数ブロックを塗ります。
ここで分数ブロックだけ青で塗るように強調します(分数ワクにそって塗ってしまう児童がいるから)。
ブロック式から数式へ
分数のブロックをみて、数式を書きます。
分母は、分数ワクと同じ「赤」で塗ります。分子は、分数ブロックと同じ「青」で塗ります。すると、一目で分母と分子の数が示すものが直観でわかります。(これはワークの中で慣れてきたら鉛筆で書いても結構です)
そして分数ブロックをみながら、ブロック式の答の欄にブロックを描きます。
分数ブロックの数だけかき込みます。この流れは、これまでの整数と何ら変わらないので簡単です。さて、ここで最後の「分母をたさない理由」が明らかになります。
分数ワクを描いて数式の答を考える
ここでブロック式の答の部分に、分数ワクを赤い色鉛筆でかき込みます。
かき込んだ瞬間に、分数ブロックの式がキレイに完成し、分数ブロックと分数ワクの関係がわかります。そしてブロック式の答をみて、数式の答をかき込みます。
最後に
今回のイメージ式(ブロック式)は、分数のイメージ(分数ブロック)を式の形に並べたものです。「分数ブロックで分数を扱って分かったから、もうイメージ式で扱わなくてもいいだろう」と判断しがちです。
しかしイメージの想起が難しい児童たちにとって、分母がたされない理由が分からないままとなります。ぜひ、イメージ式を用いて分母の存在を直観で捉えた上で、分数の計算習得に移ってほしいと思います。
今回、解説で用いたプリントは、無料でご利用できます。
算数が不得意な児童たちの学習にお役立て下さい。