手先が不器用な児童は、小学4年で学ぶ「平行線」を描くところで躓きやすいです。定規をどう動かせばいいのか分からないからです。そこで今回は、平行線をエレベーターに喩えて分かりやすく取組める方法をご紹介します。
定規の動きに気をとられる
児童が平行線をひくときに躓くのは以下の2点です。
- 定規をどのように動かせばいいのか分からない。
- 定規をピッタリ併せられない。
定規の動きこそ平行線の課題です。今回、「1.定規をどのように動かせばいいのか分からない。」についての対応方法です。それではご説明します。
1本目の直線をひく=1階部分
問題では、最初に描かれていることが多いです。もちろん、その時は描く必要はありません。
この1本目の直線を指さして、児童に「この直線を1階部分とします。」と説明します。このとき印象つけるために、直線上に小さく棒人間を描いてもいいですね。そして
「1階があるということは、2階があります」
と話しながら、2階部分のかき方を説明するよ。と話を移しましょう。
1階部分にエレベーター
次に「エレベーターを1階に設置するよ」といいながら、三角定規を直線にあてます。このとき、右は直角です。そして三角定規の右に定規をピッタリとつけます。
左手に力を入れて三角定規を固定し、右手でそっと定規を当てる。この状態を作るのが児童にとって難しいです。
定規をスライド=エレベーター上昇
次に「エレベーターがあがります」といいながら、三角定規を定規に合わせてスライドさせます。
この右手の固定は、児童にとって難しいです。さっきは左手を強く固定していて、今度は右手に変わる。ゆっくり促して下さい。
平行線をひく=2階部分を描く
「2階部分を作ります」といいながら平行な直線をひきます。
この時、右手の定規は離れても構いません。ただし、左手は三角定規をしっかり抑えます。ここで再び力が左手に入るところも、手が不器用な児童にとって難しいです。ゆっくりと促して下さい。
最後に
平行線の動きは「エレベーターの動き」として喩えて手順を説明すると、定着しやすいです。最初は平行でなくても、このエレベーター感覚を覚えるつもりで、たくさん描かせるといいでしょう。
また2つの定規を抑える力の移り変わりも難しいポイントです。これも慣れるまで少し時間がかかるかと思います。ゆっくり慌てずに行なって下さい。