平行線を描く_手順5

平行線は「エレベーター」に喩えると描き方が分かる

手先が不器用な児童は、小学4年で学ぶ「平行線」を描くところで躓きやすいです。定規をどう動かせばいいのか分からないからです。そこで今回は、平行線をエレベーターに喩えて分かりやすく取組める方法をご紹介します。

定規の動きに気をとられる

児童が平行線をひくときに躓くのは以下の2点です。

  1. 定規をどのように動かせばいいのか分からない。
  2. 定規をピッタリ併せられない。

定規の動きこそ平行線の課題です。今回、「1.定規をどのように動かせばいいのか分からない。」についての対応方法です。それではご説明します。

1本目の直線をひく=1階部分

問題では、最初に描かれていることが多いです。もちろん、その時は描く必要はありません。

平行線を描く_手順1
まずは直線をかく

この1本目の直線を指さして、児童に「この直線を1階部分とします。」と説明します。このとき印象つけるために、直線上に小さく棒人間を描いてもいいですね。そして

「1階があるということは、2階があります」

と話しながら、2階部分のかき方を説明するよ。と話を移しましょう。

1階部分にエレベーター

次に「エレベーターを1階に設置するよ」といいながら、三角定規を直線にあてます。このとき、右は直角です。そして三角定規の右に定規をピッタリとつけます。

平行線を描く_手順3
三角定規を直線に合わせる

左手に力を入れて三角定規を固定し、右手でそっと定規を当てる。この状態を作るのが児童にとって難しいです。

定規をスライド=エレベーター上昇

次に「エレベーターがあがります」といいながら、三角定規を定規に合わせてスライドさせます。

平行線を描く_手順4
三角定規をスライドするとき、右手の定規はしっかり固定する。

この右手の固定は、児童にとって難しいです。さっきは左手を強く固定していて、今度は右手に変わる。ゆっくり促して下さい。

平行線をひく=2階部分を描く

「2階部分を作ります」といいながら平行な直線をひきます。

平行線を描く_手順5
平行線を描くとき三角定規をしっかり抑える。

この時、右手の定規は離れても構いません。ただし、左手は三角定規をしっかり抑えます。ここで再び力が左手に入るところも、手が不器用な児童にとって難しいです。ゆっくりと促して下さい。

最後に

平行線の動きは「エレベーターの動き」として喩えて手順を説明すると、定着しやすいです。最初は平行でなくても、このエレベーター感覚を覚えるつもりで、たくさん描かせるといいでしょう。

また2つの定規を抑える力の移り変わりも難しいポイントです。これも慣れるまで少し時間がかかるかと思います。ゆっくり慌てずに行なって下さい。